青の都サマルカンド 定番観光地5選

2020/09/28

 シルクロードの中継地点として栄えたサマルカンド。西安からイスタンブールまでをつなぐシルクロードのちょうど中間地点にあるこの都市は、文明の十字路として多くの人が行き交い、独特の文化を育んできました。そして今でもウズベキスタン第二の都市として多くの観光客が集い、交流の中心になっています。

 近年はウズベキスタンのビザが緩和され、またウズベキスタンの首都タシュケントへの直行便があることもあり、ウズベキスタンへの旅行はどんどん身近なものになっています。サマルカンドへはタシュケントから鉄道で2時間程度ですので、ウズベキスタン旅行では絶対に訪れたい都市です。

 今回は、そんなシルクロードの歴史を物語るサマルカンドの定番観光地を5つご紹介します。

レギスタン広場

 サマルカンドのランドマーク、それがレギスタン広場です。雑誌やインターネットでのサマルカンドのイメージといえばこの広場です。広場には3つのマドラサ(イスラム学院)が建ち並び、鮮やかな青に彩色されたタイルで装飾されています。晴れた日には中央アジアの曇りない青と美しく重なり、サマルカンド・ブルーと呼ばれています。夜になればライトアップされ、レギスタン広場のもう一つの顔を楽しめます。

 初めて本物のレギスタン広場を訪れる人は、まずその建物の大きさに驚く事でしょう。広場を囲むように建つマドラサの圧倒的な存在感は、ここでしか感じる事のできない特異な感覚です。

 3つのマドラサのうちで一番古いのは、広場に向かって正面左手のウルグ・ベク・マドラサです。これは15世紀のティムール朝の時代に建てられたマドラサで、当時の王ウルグ・ベクの名前が採られています。ウルグ・ベクは本人が学者であったこともあり、彼の時代にサマルカンドでの学術が大きく振興されました。また彼は教師として自らマドラサの教壇に立ち、学生たちと議論を交わすことがあったと言われています。

 正面のマドラサは、シェル・ドル・マドラサです。これは17世紀に、時の支配者によって建てられました。壁面には虎や太陽などをモチーフとしたモザイクが施されており、ペルシアの影響が強く感じられるデザインです。右側のティラカリ・マドラサも同じ時代に建てられ、サマルカンドが歴史を通じて反映したことを今に伝えています

グーリ・アミール廟

 「王の墓」を意味するグーリ・アミール廟は、サマルカンドの中でも群を抜いて壮麗な霊廟です。ここにはティムール朝の始祖ティムールが祀られています。

 グーリ・アミール廟に施されている装飾は見事で、特にイーワーン(入口のアーチ)には独特の細かな装飾がなされており、グーリ・アミール廟の美しさを一層際立たせています。中に入ると、大理石の床にティムールとその家族の石棺が並んでいます。壁や天井の装飾もまた美しく、幾何学的な模様を作る金と青のタイルで埋め尽くされた内装は見る者の心を奪います。

ビービー・ハーヌム・モスク

 ビービー・ハーヌム・モスクは、かつて最大の規模を誇った巨大なモスクです。名前はティムールの妃から採られ、向かいには彼女を祀った霊廟が建てられています。

 モスクは度重なる地震で荒廃し、崩壊の危機にありましたが、現在は再建が進められています。内部は再建途中なのでまだ入ることが出来ませんが、外観だけでも当時の威容が伝わってきます。

シャーヒ・ズィンダ

 シャーヒ・ズィンダはサマルカンドの有名な霊廟群です。11世紀から今に至るまで増築、再建が繰り返されており、現在20を超える霊廟があります。

 霊廟はいずれも青のタイルで彩られ、敷地内に所狭しと建ち並んでいます。青の壁で作られた街路は迷路のようで、サマルカンドの艶やかな歴史の渦に身を浸せます。

 それぞれの霊廟の模様は少しずつ異なり、文字や図形をあしらったデザインは今でも色褪せずに存在感を放ち続けます。

シヨブバザール

 最後にバザールのご紹介です。中央アジアの市場といえばバザール。サマルカンドで一番大きいバザールは、このシヨブバザールです。シヨブバザールの歴史は長く、サマルカンドの街が誕生したころにはすでにあったと言われています。

 バザール内では食料品や生活用品はもちろん、お土産として最適なウズベキスタン・サマルカンドの小物が売られています。他にもお土産としてドライフルーツやナッツ、スパイスなどの中央アジアならではのものが手に入ります。

 バザール内にはカフェやレストランがあり、ウズベキスタンの料理を提供しています。中央アジアでの主食はナンですが、ウズベキスタンではサマルカンドのナンが最高と言われています。もちっとしたサマルカンドのナンを、是非このバザールで味わってみてください。



 サマルカンドは非常に長い歴史を持つ都市です。今回ご紹介した以外にも、古代の天文台や、紀元前から残る都市遺跡、サマルカンドの歴史を伝える博物館など、見どころは盛りだくさんです。観光地は街の中心部に集中しているので、回りきることも難しくないでしょう。

 是非ご自分の好きなサマルカンドを見つけてみてください!

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AsianNavi

AsianNavi編集部

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