歴史

2020/10/05

 ウズベキスタンの地は、中央アジアの砂漠地帯を東西に貫く二つの川、アムダリヤ川とシルダリア川の間の地を中心としており、古くはマー・ワラー・アンナフル(「川向こうの地」の意味)と呼ばれていました。この川の周りに灌漑システムを発達させたオアシス都市が成立し、シルクロードの重要な中継地点として歴史的に発展してきました。同時に、シルクロードの富が集まるこの地は、常に東西の大国の脅威に晒された地でもありました。

 ウズベキスタンの地は古くからイラン系の民族が住んでおり、イラン系のソグド人はこの地を中心として商人として活躍しました。彼らの名前は紀元前8世紀のアケメネス朝ペルシアの歴史書にも登場しています。また、ブハラやサマルカンドといった歴史的な都市はこの時代からあったと言われています。ソグド人は遊牧民帝国や中国、ペルシアなど支配権が揺れ動く中で長く活躍しますが、彼らの活躍は750年に起きたタラス河畔の戦いでイスラム王朝であるアッバース朝が唐に勝利したことで終わりを迎えます。イスラム王朝の下でも発展は続き、特にブハラはイスラム世界の学問・文化の中心地として多くの学者を輩出しました。また、この時期にウズベキスタンの地のテュルク化が進んでいきました。 モンゴル帝国による征服・支配によりウズベキスタンの地は一時的に衰退しますが、ティムールが興したティムール朝の下で新たな繁栄を迎えました。首都のサマルカンドでは美しいモスクが建てられ、マドラサ(イスラム学院)では学問が奨励されました。

 16世紀ごろになると、ウズベキスタンの地にウズベク人が住み始めました。彼らはウズベキスタンにあるオアシス都市を中心としていくつかの王朝を興しました。 その後、ロシア帝国の支配下に入り、ソ連崩壊までロシアによる統治が続きました。ソ連崩壊後はウズベキスタン共和国として独立し、今に至ります。

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