Tajikistan

国名:タジキスタン共和国

首都:ドゥシャンベ

言語:タジク語

面積:143,100㎢

人口:930万人

通貨:ソモニ(TJS)

  地理

 タジキスタンの面積143,100km2で、東北地方と北海道を足したぐらいの比較的小さな国です。国土のほとんどが山地で、東半分は「世界の屋根」を意味するパミール高原が広がっています。北側はフェルガナ盆地に面し、ウズベキスタンやキルギスと複雑に国境を接しています。

  人口・都市

 タジキスタンの人口は約800万人で、大阪府と同じくらいの人口です。人口は国の東半分に集中しており、主要な都市も東部にあります。近年は人口増加が著しく、中央アジアの中でも経済成長率が高い国となっています。

 首都はドゥシャンベで、人口はおよそ100万人です。天山山脈に連なる山々のふもとに位置し、ソ連時代はスターリナバードとも呼ばれていました。タジキスタン第二の都市ホジェンドはフェルガナ盆地に位置し、歴史が古く、近郊からはアレクサンドロス大王の時代の遺跡も発掘されています。

  言語

 タジキスタンの公用語はタジク語です。タジク語はペルシア系の言語で、ペルシア語の一方言とも考えられるほど言葉が似ており、相互に意志の疎通が可能です。タジキスタン以外の中央アジアの国はトルコ語と同系統のチュルク系言語を公用語していますが、タジキスタンだけは別系統ということになります。

 法的な規定はありませんが、第二言語としてロシア語が使用されています。ロシアの統治下にタジキスタンのロシア語化が進み、ソ連からの独立時に一旦ロシア語の重要性は落ちますが、現在では再びロシア語の教育が盛んになっています。

 国土の東半分を占めるパミール高原では、パミール諸語と呼ばれるいくつかの言語が話されています。パミール高原は侵入が容易でない険しい山々によって構成されており、周辺民にとっての隠れ里として機能していました。そのため、他とは異なる独特の文化や言語を維持しています。

  宗教

 タジキスタンでは、他の中央アジア諸国と同じくイスラム教が広く信仰されています。イランとの結びつきが強いタジキスタンですが、多数派はスンニ派で、イランで多数派のシーア派は多くありません。

 独特の文化が残るパミール高原では宗教も特徴的で、イスマーイール派と呼ばれるシーア派の一派の独特の信仰が維持されています。 そのほか、少数民族のアルメニア人の間ではゾロアスター教も信仰されています。

  民族

 タジキスタンの人口を構成している主な民族は、タジク人、ウズベク人、ロシア人です。タジク人はイラン系の民族で、人口の約8割を占めています。タジキスタン以外では、隣国のアフガニスタンやウズベキスタンにも多く暮らしています。 ロシア人はソ連時代からタジキスタンに多く暮らしていましたが、ソ連からの独立と内戦によって多くはロシアへ帰ったため、今は少なくなっています。 また、人口自体は多くないものの、パミール高原には多種多様な民族が暮らしており、特にヤグノブ語を話すヤグノブ人は、古代に活躍したソグド人の末裔と言われています。

  歴史

 タジキスタンの地は、ギリシャや中国の歴史書に古くから記載され、独自の文化を形成してきました。イラン系の住民が広く住み、オアシスを中心としてシルクロード交易を担いました。 タジキスタンは古代のペルシア帝国の東方の辺境として知られ、アレクサンドロス大王の征服後は、ギリシア的文化が残りヘレニズム文化として発展しました。

 ペルシア帝国がイスラム王朝によって征服されると、タジキスタンの地もイスラム教に改宗し、サーマーン朝という中央アジアでは初めてのイスラム王朝が打ち立てられました。その後は東方から来たテュルク系民族に支配権が移ってしまいますが、イラン系住民とテュルク系住民は混在して生活していました。

 近代に入ると、タジキスタンの地はイギリスとロシアが勢力を競い合うグレート・ゲームの舞台となり、ロシアの支配下に入って、ソ連の崩壊までロシアの支配は続きました。 タジキスタンは独立後まもなく内戦が勃発し、5年後に終結し今に至ります。

おすすめのアクティビティ

歴史探訪

 タジキスタンには古代から続く古い歴史があり、国内には多くの史跡が残っています。首都ドゥシャンベの近郊に残るギッサール要塞は古代ペルシアの時代からあると言われ、様々な勢力が攻防を繰り広げました。今では撮影スポットとして人気があり、運が良ければ新郎新婦姿の夫婦を見かけることが出来るかもしれません。

 ドゥシャンベにある国立博物館では、タジキスタンの詳しい歴史を学ぶことができます。特に日本人にとっての目玉はブッダの涅槃像です。これは全長13メートルの巨大な木造の仏像で、アジナ・テパという遺跡から出土したものです。遺跡からはストゥーパ(仏塔)のあとも見つかっており、中央アジアにおける当時の仏教文化を今に伝えています。

イスカンダル湖

 タジキスタンにはイスカンダル湖という湖があります。首都のドゥシャンベから1時間ほどで行ける山中にあり、山の間にあらわる湖面は、まさに秘境というべき風景です。

 イスカンダルはアラビア語でアレキサンダーという意味であり、かのアレキサンドロス大王がこの地に訪れ、インド遠征の前に軍隊を休ませたという伝説からイスカンダル湖と呼ば れています。

 ドゥシャンベからの近さから日帰りで訪れることが可能ですが、湖畔のコテージに宿泊することもできます。古代から水を湛える湖の息吹を感じながら、ゆったりとした時間を過ごすことができるでしょう。

おすすめのお土産

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民族衣装

 タジキスタンのおすすめのお土産は、タジキスタンの民族衣装です。チャカンやアトラスと呼ばれるタジキスタンの民族衣装は、赤や黄色などの原色を用いた非常にカラフルな色彩で知られています。タジキスタンでは結婚などのハレの日などの他、日常的にも着られ、街中では衣装に身を包んだ女性を多く目にすることができるでしょう。衣装は街のデパートで買うことができます。

渡航情報

渡航情報

 現在日本からタジキスタンまでの直行便はありません。タジキスタンへ行く場合、トルコやウズベキスタン、ロシアを経由して行くことになります。時間に余裕がある場合、経由地での観光を楽しむこともおすすめです。

 なお、タジキスタンへの入国は観光ビザの申請が必要ですが、近年Eビザが導入されたことにより取得が容易になりました。ビザは首都のドゥシャンベでも取得が可能ですが、トラブルを避けるためにも事前に取得したほうが無難です。

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